
寝る前に、筋肉痛を感じる瞬間
株式会社ネットマーケティング
斉藤 勇太さん

ああ、今日も疲れたな。
上手くいかなかったな、ちくしょう
ああ、今日も疲れたな。上手くいかなかったな、ちくしょう。ベッドに入って眠る前は、いつもこんな気持ちです。新規事業開発の責任者になって、自分の裁量で動かせることが増えて、そのことはものすごくありがたいことだし、やりがいも感じています。だけど、ゼロから始めることなので、思い通りにいかないことがほとんど。
事業の着想からリリースまでは10カ月ほどでした。フルコミットで開発とリサーチをして、営業もするし、サイトの文章も書く。全身全霊をかけてやっとリリースできたと思っても、スタートラインに立っただけなので、そこからなんとかサイトの売上を上げないといけない。そうこうしていると、想定外のシステム障害が起きるとか、思ったように売上が伸びないとか、ユーザーのリアクションが取れないとか。ほんとそんなのばっかり。
だから、毎晩寝る前にその疲れが出る。目が痛いとか、肩や腰がこったという肉体面はもちろん、精神面にも疲れが出て、心の筋肉痛みたいになるんです。成長痛というか、いや、筋肉痛かな、やっぱり。がんばればがんばるほど、その痛みも大きいので。
一週間って7日ありますよね。そのなかで仕事は5日。休日は2日。少し前まで、5日は捨てて、2日を楽しむって考え方だったんです。仕事は仕事で、遊びを楽しもうって。
でも、仕事の5日間を「嫌だな」って思いながら過ごすのはもったいない、その5日間も楽しめたら最高だな、って思えるようになったんです。そうしたら、少しずつ仕事の仕方が変わった気がします。だからなのかな、寝る前の疲れも、「筋肉痛なんだ」「筋肉が大きくなっている過程なんだ」と思えるし、その痛みを幸せに感じられるようになったんです。
500円玉貯金で130万円。
毎日ハワイの海を眺めた
前職はテレビ制作会社でAD(アシスタント・ディレクター)をしていました。月の半分は家に帰れないほどの忙しさ、3日くらい徹夜することもざらでした。お金を使う時間なんてほとんどない。そこで500円玉貯金をして、「これが貯まったらハワイに住むんだ」なんて考えてました。
いざADを辞めて、貯めた500円玉をドルにするために巾着袋に入れたら2袋ありましたね。持ちきれないくらい重いし、外に出たら自分が銀行強盗みたいで(笑)。換金してもらったら2600枚ほどあって、500円×2600枚で、なんと130万円! これを資金に3カ月の予定でハワイに飛びました。
現地での生活ですか? 朝起きて、そのままビーチに行って読書。夕方にやっと涼しくなるので、遠出をしようと、壁に貼った地図にペンを投げて、当たったところに自転車で行ってみる。思い描いていた最高の生活をしてました。でも、楽しいって思えたのも最初の数日。ちょっと経つと、もういいや! って思えてきた。要は飽きちゃったんですね。憧れだったハワイの太陽も、だんだん暑いだけでイライラしてきて(笑)。3カ月どころか、その半分の1カ月半くらいで帰国しちゃいました。
ハワイ1か月半、小学校6年、
今の会社は8年
今の会社に入ってもう8年になるんです。前職のADは2年半、ハワイ生活は1カ月半、小学校は6年、大学は4年。だから、同じ場所にいるっていう意味では、今の会社が僕の人生のなかでは一番長い記録を日々更新中です。
今は、Facebook を活用したリクルーティングサービス「Switch.」の運営を行っています。企画からコミットしたプロジェクトで、最初は営業も全部自分でやってました。大手上場企業からスタートアップ企業への転職など、このサービスを使って転職をされた方も徐々に増え出しています。月並みな表現ですが、このSwith.で、転職する人のスイッチが入ればいいなと思います。満足いく仕事に出会ってもらえたら、そんなにうれしいことはないです。
えっ? 僕? 僕はまだ、この会社で新記録更新に挑み続けようかな。
インタビュー 伊藤 紘子 / 撮影 桜坂 卓也

株式会社ネットマーケティング
新規事業開発室 室長
斉藤 勇太さん
大学卒業後、2年半TV制作会社に勤務し、「金スマ」などのバラエティー番組制作に携わる。
1カ月半ハワイで生活したあと、2007年に株式会社ネットマーケティングへ転職。
営業職を経て、新規事業の立ち上げ責任者に。
数々のサービスを手掛け、2015年からは、Web業界でのキャリアアップを目指すビジネスパーソンのための転職サイト「Switch.」をリリース。
転職サイト「Switch.」 http://switch.bz/lp/landing/