一発で描きたいラインが決まった瞬間
イラストレーター
tomoartさん
イラストを見たひとたちが
ポジティブな気持ちになれるような、
そんな作品を描いていきたい
イラストレーターになる前の22年間、会社勤めをしておきながら実は一度も仕事を「楽しい」と思ったことがなかったんです。(笑)
社内では主に、広告デザイン、印刷物のデザインからレイアウトまでを手掛けていましたが、常に追われている仕事ばかりで、純粋な気持ちで仕事に情熱を傾けられなかった。
「自分がやりたい仕事をやりたい」
そんな想いが日増しに強くなり、フリーになる決心をしました。
フリーになる決意からキャラクター
「チャックま」誕生までの道のり
試行錯誤も楽しんだ時期
引っ込み思案だった性格も手伝って、小さい頃から絵を描くのが好きでした。
フリーになろうと決めて、さて、何を描いていこう?と考えたとき、自分の絵柄として「キャラクター」を描いていこうと思いました。
最初は、宇宙人みたいな変なキャラクターも考えていたのですが(笑)、やはりここは王道の「クマ」のキャラクターでいこうと。フォルム的に、ひとつのかたまりのようなキャラクターがいいかなぁと漠然と考えていましたが、しかしこれではパンチが足りない。足りないところにもう一つ、特色のある、記憶に残りそうなキャラクターにしたい。そんな折、
「ああ、チャックもいいな、チャック…」
チャックとクマで、「ああ、チャックまか!」となったわけです。
個展開催からチャックまグッズ制作まで
目にした、手に取ったひとに
「カワイイ!」と思ってもらえるように
2011年、震災の年にチャックまは生まれました。忘れられない年に初めての個展を開催。以降、都内だけでなく、地元である神奈川県の厚木市でも個展を開催してきました。
最初の個展ももちろん心に残っていますが、厚木で開催した際は初めて「キャラクター好感度ランキング」を行い、見に来てくれたひとのダイレクトな感想が聞けたのがうれしかったのを覚えています。
チャックまがどうしてもメインキャラクターになってしまいますが、猫のファスニャン、パンダのジッパンダ、そしてチャックのついていない普通のクマのコグマたちがこの先、どういう風に展開していくか、作者自身楽しみなところもあります。
デザインを意識した絵の表現から、
イラストの充実感を大切にした表現への転換
そこで初めて
イラストレーターとしての腹が据わった
イラストレーターとして活動していく中で、自分の中の意識が変わった出来事が毎月発行するカレンダーを描き始めたことでした。
2014年、夏からのことです。それまでは、全体のデザイン性を意識して絵を描いていたのですが、ある時「より、チャックまたちを面白く活き活きと見せるようにするには、どうすればいいのだろう?」と考えて、イラストを描くようになりました。そこが僕の「イラストレーター」としての腹が据わったターニングポイントなのかもしれないですね。
また、僕は人一倍「色」にこだわりを持っています。Tシャツの素材の色を考えるときからイラストを描くときまで、「カワイイ!」「色がきれい」など、チャックまを見てくれた人が明るくポジティブな気持ちになれるように。
「ココロの温度が上がる」作品であれたらと願いながら、日々チャックまを描いています。
インタビュー 掛端 玲 / 撮影 奥田 晃司
イラストレーター
tomoartさん
1966年神奈川県横須賀市生まれ。
1989年、多摩美術大学グラフィックデザイン科を卒業し、株式会社三越入社。
翌年より横浜店広告担当として活動。
以降、三越各店の広告・カタログ制作を担当し、2011年3月に三越を退社、フリーに。2011年5月東京神田神保町にて開催されたグループ展「美準展」に参加し、オリジナルキャラクター「チャックま」発表。
2012年2月より本格的にイラストレーター/デザイナーとしての活動を開始。
同年より文化服装学院にて非常勤講師を務める。厚木周りで飲むことが多く、単なる酔っ払いと思われてしまうことも多数。最近ではLINEスタンプを発表。チャックまワールドから今後も目が離せない。
チャックま公式サイト:http://chackma.jp/