施術後にお客さんの声のトーンがあがっていた瞬間
金子鍼灸接骨院
金子 健一さん
患者さんの反応を見て、「しめしめ」
施術をしたあと、患者さんがすぐに効果に気づいて、「あ、腰が軽くなった」「ひざが曲がるようになった」なんて言ってくれる瞬間が一番うれしいですね。内心「やった!」って感じ。タイミングは人それぞれで、終わった瞬間に言われる患者さんもいれば、会計しているときに言われる患者さんもいる。ベッドから立ちあがった瞬間はそんなでもなくて、歩いているうちに「あれ? 軽くなったかも」という反応をされたりすると、しめしめ、自分の技が通じたなって(笑)。
反対に、口では「ありがとうございました」と言ってても渋い顔で出ていく患者さんなんかは、「ああ、まだ痛いんだな」とか「言いたいことがあったけど、言えなかったのかな」と、気になります。
施術が終わるとすぐに次の患者さんに取りかかるから、帰っていく患者さんとはあまり会話はできません。それでも、施術後の患者さんの様子はけっこう意識します。「終わりましたよ」と声をかけたときの返事の仕方とか、会計をしているときの声のトーンで、なんとなく自分の施術が効いたかどうかがわかります。
僕の主な仕事は、体に不調を抱えている患者さんたちに、保険治療として電気治療や骨格調整、自由診療として鍼灸、指圧、マッサージをすることです。うちは鍼灸接骨院なので、ほぐすことを目的にした、いわゆるリラクゼーションのマッサージとは違います。患者さんに、「気持ちとかった」とか「スッキリした」というだけじゃなくて、「痛みが取れた」とか「体が軽くなった」とか、「さっきよりも腕が上がるようになった」といった効果を感じてもらうことを目的にしています。
お客さんとの関係は一日一善
金子鍼灸接骨院を開業して6年目。患者さんの体を触っただけで、悪い部分がわかるようになってきました。施術を終えるタイミングは非常に難しいんだけど、施術中に患者さんの体が徐々に改善されていくから、ビフォーアフターがはっきりわかるところで終わりにしています。健康保険が適用される施術の場合は、ある程度は時間で区切らざるを得ないけど、自由診療の場合は、体が柔らかくなった、コリがなくなったと患者さんに自覚していただくまで施術します。
患者さんの反応がうれしい瞬間は毎日あります。控えめに言って、一日一善くらいのペース。新規でいらっしゃる患者さんは、半分くらいがいい反応をしめしてくれますね。常連さんはもうわかってるから、あえて言わないことが多いかな。
東洋医学の世界で技を磨いていく
はっきり言って、僕の施術は、科学的に証明できない部分もあります。東洋医学はまだまだ医療としては認められていない分野。たとえばツボを刺激したら体調がよくなるっていうのは、結果としては確かにあるけど、じゃあその理由とか、成り立ちはどうなっているかと聞かれると、なかなか科学的に説明できなかったりする。経験値に因るところも多いので、人によって結果に差もある。だからこそ、お客さんの反応が気になるんですね。これからも技を磨いていきたいです。
インタビュー AOI / 撮影 廣瀬 育子
金子鍼灸接骨院
院長
金子 健一さん
学芸大学卒業後、高校の体育教師を経て、東京都国分寺市内の総合文化施設「金子学園」の学園長に就任。退任後、鍼灸学校と柔道整復の学校に通い資格を習得し、54歳から「金子鍼灸接骨院」を開業。剣道7段の腕前を持ち、剣道教室などで指導もしている。
「金子鍼灸接骨院」
住所:東京都小金井市貫井北町5-10-14 studioK
電話:042-312-2722
受付時間:9:00〜12:30 15:00〜19:00(月水木)
9:00〜12:30 15:00〜18:00(火金)
9:00〜13:00(土)
休日:日・祝日