展示会が終わったあと、集合写真で、端っこに写る瞬間
マンフロット株式会社
上原 康充さん
売上が達成されれば、やっぱり嬉しいです
私は今、マンフロット(Manfrotto)というカメラアクセサリーのメーカーに勤めています。弊社は「Everything around camera」、すなわち、三脚やカメラバッグ、撮影スタジオ用の機材など、カメラ本体以外の周辺機器全般を取り扱う、イタリアのプレミアム・ブランドです。
最近では、撮影機材のデジタル化やカメラ人口の増加に合わせて、デジタル一眼カメラとiPadを繋いだ新しい撮影方法を提案するDigital Director (デジタル・ディレクター)という機材や、スマホ用のミニ三脚、ファッション性を重視したカメラバッグなども手がけています。
カテゴリーマネージャーという役職は、うちの会社ではマーケティングの範疇に入るもの全て、プロダクトマーケティング全般を受け持ちます。具体的には、イタリア本国で作られた製品を売るために価格を決めたり、販促活動をしたり、需要予測をしたり、プロモーションや展示会の開催まで、本当に全部ですね。
ビジネスですから、売上を達成すればやっぱり嬉しいですよね。ありがたいことに、マンフロットはこの不景気な中でも成長し続けています。自分のビジネスマン人生の中で、この会社で初めて成長体験を得ていると言っても過言ではないですね。
まかせてもらう喜びを感じて
アメリカの州立大学を卒業し、1995年に日本に戻ってきて、ソニーの関連会社に勤めたあと、オリンパスに転職しました。オリンパスには10年弱くらいいて、アメリカに駐在していたんです。ところが、2006年に父親が亡くなりまして、急きょ帰国することになりました。
オリンパスを退社し、父親が興したコーヒーの会社を2年ほどやりました。債務超過の小さな会社です。徹底的に経営を見直し、2年で債務を完済して、会社は人に譲りました。それでまた一からっていうときに、マンフロットの社長に拾ってもらったんです。2008年のことでした。
マンフロットの日本法人は、2006年にできた新しい会社でした。新製品のプレスリリースを発表し、カタログを整理する。価格の整理・統一化、展示会、広告宣伝、プロの方と接点を持って付加価値を打ち出すなど、プレミアムブランドとしての地位を確立するためのことを、少しずつ築き上げていったわけです。
最初に担当したのは、動画系とスタジオの機材でした。そのころにLEDライトや、動画撮影用の周辺機器、iPhone用の機材、iPad用のデジタルツールなど、続々と新しいことに挑戦できたことはよかったですね。計画から実行までの全権を与えてもらえることって、一般的な日本の会社ではなかなか経験できないことでしょう。やりがいを感じましたね。
チームでやり遂げれば、大きな達成感があります!
外資の会社なので、一人一人の目標設定や責任が明確になっているのですが、そういう風土の会社でも、チームでなにかをやり遂げたときの喜びには格別なものがあります。CP+(日本で最大の写真・映像関連商品の祭典)などのイベントの準備はとても大変なんですよ。でも、スタッフみんなに動いてもらって、お客さまに来ていただいて、最後に片づけるときの達成感はとても大きなもので、ビジネスで売上を伸ばしたのとは種類の違う喜びに満ちています。
自分が中心となってやった展示会のときには、終わったあとに、関わったみんなで必ず集合写真を撮るようにしています。撮るときにも、あとで見るときにも嬉しいものですよ。記念撮影のとき、僕は真ん中じゃなくて、わざと目立たないところに写るようにしています。いちばん端っこ、それがいいんですよ。
インタビュー タナカトシノリ / 撮影 向山 裕太
マンフロット株式会社
カテゴリーマネージャー
上原 康充さん
アメリカの州立大学を卒業後、ソニーの関連会社、オリンパスでの米国駐在を経て、2006年に帰国。父の会社を継ぎ、経営権を譲ったあと、2008年にイタリアのカメラアクセサリーメーカー、マンフロットの日本法人に入社。プレミアム・ブランドとしての広告戦略を含む、マーケティング全般に携わる。
マンフロット https://www.manfrotto.jp/