お店が幸せのグルーヴ感で満たされている瞬間

テーブルからテーブルへ、幸せの連鎖反応

 

渋谷の映画館、アップリンクに併設されたカフェレストラン「タベラ」でマネージャーとしてお仕事をしています。

 

お客様はご友人とのお食事を楽しむため、打ち合わせのためなど、いろいろな目的を持って来店されます。また、ランチタイム、ティータイム、ディナータイムと、それぞれの時間帯で目的は変わります。

 

そんな中、お客様からお客様へと幸せな空気が伝播していく瞬間があります。一組から別の一組へ、そしてまた別の一組へと連鎖が起き、幸せのグルーヴ感で店内が満たされていくんです。

 

１テーブルのお客様が満足される。その幸福感がどんどんつながってゆく。

とてもデリケートなことなのですが、私たちが知らないといけないことだと思っています。隣のお客様の喜びや悲しみをお客様同士はご存知ではないのに、1テーブルの幸せが別のテーブルへと伝わる…。そんな時に喜びを感じます。

 

幸せの連鎖が起きやすいお店にするために、まず私自身が清潔であること、そしてお客様に合わせた対応を心がけています。

何か不快な点はないか？お客様が寒そうなら、ひざ掛けをお持ちする。お急ぎなのか？ゆっくり過ごしたいのか？そういった見極めも肝心。常に気を配り、細かい気づきが必要なんです。

働くスタッフ全員がそのような視点を持ち、お互いに遠慮なくサポートできる体制が大切だと感じています。

 

 

 

「美味しかった」「ごちそうさまでした」「またね」の嬉しい言葉

 

みなさまから「美味しかった」とか「また来ます」と笑顔で声をかけてもらえる時も幸せな瞬間です。
テーブルに「ごちそうさまでした」とメッセージカードが残っていたことや、「お気をつけてお帰りください」と声をおかけした時に、「あなたも気をつけてね」と言ってもらえたこともあるんですよ。

 

また、年始に通常とは異なった特別メニューで営業していた時のことです。いつもタジン料理を目的にお越しいただいている外国のお客様に残念ながらご提供できなかったことがありました。

事情をご説明したところ、「分かった、分かった」と笑顔で何度も頷いてくれて、「バイバイ、またね」とその日は手を振って帰られたのですが、数日後、そのお客様がまたご家族で来店してくださった時はうれしかったですね。

 

 

 

 

 

「タベラが好き」という気持ちを大切に

 

一緒に働くスタッフにとっても、快適だと思えるような場所にしていきたいと思っているので、そのためにも、スタッフとは誠実に向き合うようにしています。そのためか、ちょっとしたことで何かごまかしてもすぐに分かるんですよ。同僚を信頼し、みんなからも信頼してもらえる関係が、タベラを居心地の良い場所にしていくと考えています。

 

マネージャーとして、一人ひとりの個性を伸ばしながら、足りない部分は指導して補う。社長からスタッフを育てる心得として「アップリンクはスタッフ個々の力で構成される」と言われています。アップリンクの一人ひとりの力を私が無駄にしないよう、大切に育てていきたいです。

 

 

 

 

食事を通じて世界旅行を体験に

 

店舗の母体となるアップリンクは、インディペンデント・スピリットを持った映画をセレクトして配給しています。社会の閉塞感を打ち砕き、世界の可能性を切り開いていくような映画や、アート系など、多岐にわたっています。

 

タベラでは、映画とタイアップしたメニューやパッケージを考案して、そういった映画をお客様に伝えています。最近は『創造と神秘のサクラダ・ファミリア』のタイアップメニューでパエリアをご提供しているのですが、すごく美味しいですよ。今は他館で上映中ですが、もうすぐタベラの隣のスクリーンでも上映されます。（※編注 取材時は2016年1月）

 

世界旅行をコンセプトにしているため、多国籍でバリエーションに富んだメニューを楽しんで頂いています。オリエント急行をイメージしたようなコンパートメント席もあるんですよ。
お食事を通して、お客様にさまざまな国を旅している気分を味わってもらえれば嬉しいですね。