瞑想を始めた方の口グセが「でも……」から「~したい!」に変わった瞬間
一般社団法人 マハリシ総合教育研究所
小林 拓さん
ネガティブからポジティブに変わる過程のコントラスト
瞑想を学ぶ動機は人それぞれですが、二つの傾向があるように思います。ひとつは、職場で重要なポジションに就いていて、経営判断力や直観力、冷静な決断力を磨きたい、というような方。もともと向上心に溢れていて実生活でもリーダーシップを発揮してバリバリと働いている。
もうひとつは、人生に対してポジティブになれない今の自分をどうにか変えたい、というような方。悩みを抱えていたり、辛い思い出を乗り越えられなかったり、なかなか未来に希望を抱けないでいる。
どちらにしても「瞑想をはじめて人生が変わった」という報告は多いのですが、個人的には前者よりも後者の方からの報告がうれしいです。もともとポジティブな精神に溢れていた方がさらにポジティブになるのはもちろんうれしいのですが、ネガティブだった方がポジティブになる過程の方が、コントラストが強いですよね。
そういう方は例えば、話す言葉が変わります。もともと「でも」とか「だけど」という否定的な言葉を遣いがちだったのに、「~したい」や「~だから大丈夫」などの前向きな言葉に変わっていく。そういう言葉遣いの微妙な変化を感じたとき、「あぁ、よかったな」と心の中で呟いています。
瞑想の良さを頭で分かってもらおうと頑張らない
「瞑想」自体の社会的認知度がまだ低いので、中には「あやしい」というイメージを持つ方も少なくないです。そういう、なかなか価値を理解されづらいサービスを提供していることの難しさは日々感じます。でも、瞑想の価値を頭でわかってもらおうと頑張ることは、実はしません(笑)。
瞑想の効果についての多くの科学的研究データがあるんですけど、それをたくさん提示して、論理的に効果を説得しようとは思わないんです。データは参考資料くらいに考えています。企業へのプレゼンの時は別ですけどね。頭の中で知的に理解してもらうよりも、「何となく良いかも」というふうに直観で感じてもらいたい、と思っています。
だから、瞑想のテクニックを教える教師自身が、周囲から見て輝いていることは大事。といっても、意図して輝くことはできませんから、結局は常に自然体ですね。
過程もゴールとイコールだと考える
今まで東京を拠点に活動していましたが、昨年末に京都に移り、今は瞑想に関連して教育関係の少し大きなプロジェクトに携わっています。このプロジェクトが実現したら本当にすごいことなのですが、日々取り組んでいることのスケールはそれほど大きくはないです。
土台作りをコツコツとしている段階ですから、普段していることは地道なことの積み重ねです。でも、その過程を大いに楽しんでいます。
人生のゴールを考えた時にも、そのゴールにつながっている過程のひとつひとつ、その時々が人生にとって最も大切、そのような意味で過程とゴールはイコールだと考えています。なので結果や成果よりも、その過程一つひとつを大事にして、かつ楽しむようにしています。
大きなことでも小さなことでも、日々の過程をこそ楽しむ。そうじゃないともったいない、今を楽しめなければ、いつ楽しめるの? という発想ですね。
実は去年までの目標は「東京に新しいセンターを立ち上げる」だったんですが、その前にあるゲストをアメリカの大学に招待する仕事があり、帰国するとすぐオランダにある本部でのセミナーを受講する機会を得ました。アメリカとオランダでの経験からインスピレーションを得て、今は京都で教育システムの土台作り。めまぐるしく仕事の内容が変わっています(笑)。
仕事を選ぶときのモットーは「最高第一」。それまでのプランやキャリア、将来のリスクなどにこだわらず、常に「最高」だと思うものを選ぶようにしています。今の仕事も直観的に「最高」と感じて、二つ返事で快諾したもの。これからもいろいろなチャンスが舞い込んでくると思いますが、「最高」だと感じる仕事を日々楽しんでいきたいです。
インタビュー 吉田 麻葉 / 撮影 北原 千恵美
一般社団法人 マハリシ総合教育研究所
超越瞑想(TM)教師
小林 拓さん
大学休学中、インドを中心に1年間のバックパック旅行をし、ヨガ・アーユルヴェーダと超越瞑想(TM)に出会う。卒業後アーユルヴェーダ商品を扱う貿易会社に就職。超越瞑想(TM)の上級コース、ティーチャートレーニングコースを終了し2013年にTM教師となる。
公式サイト:マハリシ総合教育研究所 新宿南口センター