第3者から自分の評価を聞いた瞬間
フリーランスヘアメイク・美容師
鈴木 竜也さん
不意打ちがうれしい
「この前あの人が君のこと褒めていたよ。成長したって」と仕事現場で言われたことがあるんです。その瞬間、ぐっときました。
ヘアメイクって仕事中はモデルさんを相手にしていることが多くて、その場ではあんまり怒られたり、褒められたりしないんです。雰囲気作りにも関わるので。仕事が終わってから、帰りの移動中にたまに自分のしたヘアメイクのことを聞けることはあっても、直接誰かに褒められたことがそんなにないんです。僕だけかな(笑)。
モデルさんが10人くらいいる仕事のときに、一緒になったヘアメイクさんに、とある方が僕のことを評価していたよって伝えられたんです。いつもお世話になっていて尊敬している方。普段は僕のことなんて絶対に褒めない人で、第三者を通して、始めて自分の評価を聞いたんです。そのとき「ああ、方向性は間違っていないようだ。もっとがんばろう」ってやる気が出ました。
ヘアメイクを始める前は、原宿の美容室で働いていました。美容室とヘアメイクだとやっぱり違います。メイクも入ってきますし、雑誌とかCMなどの媒体に合ったスタイルを作っていくので、今はヘアメイクのノウハウを一から勉強中です。そんななかで不安もありますし、不意打ちで褒められたのは心に刺さりました。
驚きの連続で、日々勉強
ヘアスタイルに関しては少しは知識があるんですけど、メイクには驚かされることがたくさんあります。先輩のメイクを見ていて「こんなのやっちゃうの!?」って。
たとえば、外国人モデルのヘアメイクの仕事のとき。モード系のスタイリングで、アイラインを「え!! ここに黒い線引いちゃう!?」みたいなのもあるんですよ。
でもでき上がった作品を見るとばっちりはまっていて。すごく面白いし、勉強になります。ヘアメイクを始めた理由は、そういう作品制作がやりたいというのもあったので、驚きながらもうれしいんですよね。自分の視野が広がる。
この仕事をしていると、いろんな現場に行けるので、さまざまな人の話を聞く機会に恵まれていると思います。自分とは違った視点で物事を考えている方の話を聞けるのは、いい刺激になる。可能性が増えていくというか、人との出会いはかけがえのないものですよね。
あと、自分が好きなドラマの現場に偶然行けたことがあって、舞台セットを見れたときは「ここで、作られているんだ!!」と単純に感激しました(笑)。
人がつなげてくれた大切な仕事
CMや映画、雑誌などいろんな媒体が世のなかにはあります。プロデューサーからカメラマン、編集者などたくさんの人が集まって作っている。ヘアメイクもそのなかの一人として現場に入ります。すると、現場で畑違いの方が仕事を紹介してくれることもあるんです。だから、当たり前なことなんですけど、すべて大切な仕事です。紹介してくださった方に失礼のないように、真摯に向き合ってます。
荷物持ちとかも結構好きなんですよ。自分が何かして、喜んでもらえるとやっぱりうれしいじゃないですか。僕にとって仕事をするということは、そういう気持ちが根本にあります。そうやって仕事の輪を広げていけたらと思っています。これからもコツコツと勉強していって「鈴木竜也にお願いしたい」って言ってもらえるようになりたいです。
ヘアメイクのほかに美容師としても活動していて、それも同じです。出会った人に満足してもらえるようにがんばって、それがまた新たな出会いになれば最高です。
インタビュー トグチダ / 撮影 北原 千恵美
フリーランスヘアメイク・美容師
鈴木 竜也さん
平成20年から5年間、原宿の美容室「VeLO hair&salon」にて美容師の経験を積む。2015年からヘアメイクアップアーティストとして活動の幅を広げ、雑誌、広告、CMの撮影に携わる。銀座でフリーランスの美容師としても活動中。2012年、髪書房オカッパフォトコンテストグランプリ受賞。2015年、ヘアメイクアップアーティスト谷森正規に師事。
Facebook:https://m.facebook.com/tatsuya0926
Instagram:https://instagram.com/tatsuya__suu/
美容室のHP:http://beauty.hotpepper.jp/smartphone/slnH000046027/