リニューアルから続く、新しい出会いの瞬間
キャンドル店
横澤 敬子さん
たくさんのお客様との出会いが、日常に彩を添える
結婚してから跡を継いだ石材店のお仕事も、今年で20年になります。しかし、取り扱う商品が主に墓石ということもあり、“一生に一度の買い物”というケースが多く、来客数が何日もゼロなんていうことも少なくありませんでした。誰とも会わずに、会話もなく1日を終える。そんな何の変化もない日が何日も続きました。
しかし、リニューアルして今のお店の形にしてから、私の生活は一変しました。もしリニューアルしなければ、「このお客様と出会えなかったかもしれない」と考えることも多いです。こういったインタビューを受ける機会にも、巡り会えなかったと思います(笑)。
この出会いこそ、私にとってのささやかな幸せです。
2015年7月のリニューアルから数えて、何百人というお客様に来店していただきましたが、今では自分の時間が取れなくなるほど、たくさんの方に囲まれて仕事に励めるようになりました。
四国にはうちのようなキャンドル専門店はほとんどありません。だからキャンドルが欲しいときは通販や雑貨店に頼ることになりますが、通販は手数料や送料が高くつき、雑貨店だと欲しいものが手に入らないということがあります。でも、ここではたくさんの品物の中から実際に手に取り、確かめることができる。
好きなキャンドルを見つけて、お客様に満足していただくのが何よりの幸せ。雑貨店とは違い、目の前で火をつけて、どんな光景が生まれるのか見ていただくこともできます。
リニューアルのきっかけは、
「手が出せる」商品を揃えること
石材店としての主な商品は墓石ですが、坪庭に置く石やガーデニングに使用する石材など、石に関することであればなんでも取り扱っています。今は石調のパネルなども多く出回っていますが、やっぱり本物の石は質感が全く違う。それだけの価値はあります。しかし、やはり値段が高くて本物には手が出せない人がいるのも現実です。
リニューアルのきっかけとなったのは、こういった「手が出せないもの」以外に、もっと身近な商品をたくさん取り揃えたかったから。墓石との関連でろうそくや線香などはもともと置いていたのですが、あるとき素晴らしいキャンドルとの出会いがあったのです。
それが、「ウッドウィック」というキャンドル。外観はマグカップのような形なのですが、それぞれ違った色のロウが使われていて、ひとつひとつ違った表情を持っています。驚いたのは火をつけたとき。暖炉で薪を燃やすような「パチパチ!」という音が、キャンドルの優しい光と一緒に広がったことです。「これは絶対取り入れたい!」と思って、いろいろなキャンドルを揃えるようになりました。
墓石はどうしても一世一代の買い物になりますが、キャンドルは違います。「終活してみない?」なんてことは勧められないけれど、「かわいいキャンドルが入ったから、見に来て!」なら言える。気軽にお客様が入って来られる雰囲気を、ずっと作りたかったんです。リニューアルしたときは、カフェかお花屋さんと間違われましたけどね(笑)。
気楽に入っていただいたついでに、石材を使ったエクステリアや、墓石にもつなげていただければと考えています。「石材のことなら、横澤石材さんに頼めるな~」と、心のどこかで思っていただければ満足です。
時代のニーズに合わせて、
墓石や仏壇の世界も一変!
今の時代は、墓石や仏壇のニーズも大きく変わってきています。モダンなインテリアに合う仏壇も多く見かけます。だから、仏壇におしゃれなキャンドルはダメ!なんてルールは、もう消えているのかもしれません。常連さんの中には、うちで購入したキャンドルを飾られている方もたくさんいらっしゃいます。お線香と違って香りもいいですし、ご先祖の喜ぶ顔も浮かぶのかもしれませんね。
インタビュー 釜井 知典 / 撮影 真鍋 光太朗
キャンドル店
オーナー
横澤 敬子さん
有限会社横澤石材の三女として生まれ、結婚を機に跡を継ぐ。2015年7月、念願のリニューアルを果たし、「石材とキャンドルのお店」のオーナーとして働く。墓石のほか、テーブル・ガーデニングなどのエクステリアや、ウッドウィックを中心とした多様なインテリアに合うキャンドルを取り扱っている。
企業名:~石とキャンドルのお店~ 有限会社横澤石材
住所:〒767-0032 香川県三豊市三野町下高瀬1219-1
電話番号:0875-72-0026
fax:0875-72-0117
営業時間:8:30~18:00
定休日:第三日曜
http://yokozawasekizai.com