忙しい時に「チャンスタイム」が訪れる瞬間

気持ちが充実していないと、

お客様を幸せにはできません

 

ふだんは銀座店に勤務しています。忙しいときは何分かおきにお客様が来店されるので、7～8人を同時に対応することも。施術に集中しつつも、その合間に「あのお客様をお帰ししたら、次のお客様をシャンプーして…」と考えているのですが、そういった”パズルのピース”がうまくはまったときにはスッキリしますね。

 

しっかりとしたプランを遂行していくと、ふと3分ほど時間が空くときがあるんです。それを私たちはチャンスタイムと呼んでいて、甘いものをつまみにいったりしています（笑）。忙しい中での幸せの補給は「このタイミングで甘いものが食べられるの？」と、嬉しい気持ちになりますね。自分がいいモチベーションを保てないと、いいパフォーマンスはできないですから。

 

カットやパーマにかかるおおよその目安時間は決まっているのですが、早く終われば終わるほど、お客様は得をした気持ちになると思うんです。だからクオリティを保ちつつも、施術中のスピードは大切にしていますね。お仕事や子育ての合間を縫って来ていただいているので、そこで時間が余れば買い物をしたり、お茶を楽しむことだってできますから。

 

 

 

綺麗なお姉さんが、

みんなニコニコしていてすごく嬉しそう

 

初恋の男の子のお母さんが美容師さんだったというのもあって、小学校1年生のときに初めて美容室に行きました。自分はいつも理容店に行っていたので、入った瞬間そのギャップに驚きました。綺麗なお姉さんがみんなニコニコしていてすごく嬉しそうで、しかもいい匂いがする…衝撃でしたね。

 

小さい頃は好奇心旺盛だったのですが、生意気で口数も少ない子どもでした。そんなとき、私のネガティブな性格を心配した親が、船で世界を巡る子ども遊覧に申し込んでいたことがありました。不安でたまらなかったのですが、「行ける」と強がって参加することに…。しかし、メンバーのほとんどが中学生。もちろん親はついてきません。6人くらいの相部屋でしたが、一緒に共同作業をしたり寝食を共にするうちに、いつの間にか明るい性格に変わっていきましたね。

 

今振り返ると、この子ども遊覧が人生のターニングポイントでした。
海を眺めると水平線しか見えない状況で「本当に地球は丸いんだ」って思って海外にも興味を持ち始めましたし、高校3年生の夏休みには、英語と美容の勉強を兼ねてロンドンに行ったこともあります。

 

MINXで働きだしてからは挫折の連続でした。すごく不器用だったので、店内で行われるチェックにはことごとく落ちてしまい…。そのせいで教えてくださる先輩までもが「教え方が悪い」と怒られるし、今まで何事もそつなくこなしていた自分にとってショックな出来事でした。

 

それから、壁を乗り越えるためとにかく練習をして、自分の何がいけないのかを積極的に周りのスタッフに聞いたり、憧れている先輩の施術やコミュニケーションの取り方などを見て分析し、実践していきました。

 

今は後輩を教える立場になり、「この子にはどういう風に言ったら伝わるだろう」とか、「この子はこの方法で伝わったけど、この子はこれじゃないだろう」と指導方法に悩みます。16年目の今でも勉強になることがたくさんありますね。

 

 

 

 

 

お客様の髪の毛を扱っている以上、

美容師はお医者さんと同じ

 

施術を終えて鏡でチェックをしていただくのですが、気に入ってくれたときの顔ってわかるんです。その表情が見られるか見られないかで、仕事のモチベーションが全然違いますね。

 

お客様の髪の毛を扱っている以上、美容師はお医者さんと同じだと思っています。裸になっても髪の毛は残りますからね。お洋服は毎日変えることができますけど、髪型はしばらく変えられませんから、いい下着を着るよりも、いい髪型をした方がいいと思うんです。

 

現在は、最近完成したばかりである当店の2つ目のフロアーを、早くお客様でいっぱいにしたいですね。スタッフそれぞれ思いは一緒だと思いますが、私の今後の課題かなって考えています。お客様から「銀座のMINXっていつも予約で埋まってるよね」って声が挙がるほどに、常にお客様の笑顔が絶えない店内にしたいです。