お客さんと作り手のハッピーを生み出した瞬間
株式会社ドクターズプラザ
六藤 陽子さん
一人何役もこなすのが楽しい
育てたいゆるキャラがいるんです。私が推しているのは、健康サポーターとして活動する「えむぞぅ」くん。
先日は週末に開催されたイベントで、えむぞぅの着ぐるみと一緒に活動してきました。
身長150センチくらいの3次元えむぞぅの横に立って「ゆるキャラグランプリ2015」への投票を呼びかけたり、えむぞぅの誘導をしたり、こまめにケアをしたり・・・。まるでアイドルのマネジャー気分が味わえました。こんな体験なかなかできないですよね。とても新鮮で楽しかった!
ちなみに、これは企業活動の一環です。えむぞぅは会社のシンボル的な存在で、名刺にも載っています。私の主な業務である「ヘルスケアプランナー検定」の普及活動にも活躍してもらっています。
私の現在の仕事は、営業企画です。小規模の会社のため、現場での営業活動と全体のマーケティング戦略を立てるという両方の仕事を行っています。以前は大手外資系製薬会社で医薬品の営業をしていたのですが、本社のマーケティング本部があり現場に営業部隊がいるという体制でした。
そのときに感じたのは、「全体を見る企画者が現場に近いと、現場の営業が成功しやすいな」ということ。マーケティング部門が営業現場の声もよく聞いて戦略を立てて、営業現場はマーケティング部門の立てた戦略をしっかり理解して動けると、ものすごく結果につながるんですよね。
だから、今の会社で全体像を考えて自分の手で実践できるのはありがたいです。効果があればうれしいし、だめなら試行錯誤する楽しみがあります。
一人で何役もこなさなければいけないので、仕事の幅もぐんと広がりました。実は、えむぞぅの中の人にもなります。実際に着ぐるみに入るのではないですよ。ヘルスケアプランナー検定を一般の方々に周知するツールとしてFacebookページも立ち上げたんです。
そこで、えむぞぅになりきってFacebook上で発信しているで「ござるよ」。(笑)
多くの方にこのページに親しんでいただくにはどうすればいいのか。
そう考えたとき、無機質な告知を羅列するのではなく、えむぞぅになりきって文章を書いてみようと思いました。ときには、まるで映画『アメリ』のように、ぬいぐるみのえむぞぅが旅しているかのような写真を撮ることもあります。紙袋にえむぞぅぬいぐるみを入れて、外出先でおもむろに出して、「ぱちっ!」って。ちょっと恥ずかしいんですけどね(笑)。
でも、そんな工夫をして投稿した記事に「いいね!」がつくと、がぜんやる気が出ます。
ただ、この「いいね!」の快感を求めてFacebookページにばかり力を入れるわけにはいかないのも難しいところです。あくまでFacebookページは窓口の一つであって、ヘルスケアプランナー検定の情報がほしい方には、別のアプローチも必要ですから。
いろんなことに挑戦できるのは楽しいのですが、間違った方向にいくと、取り返しのつかないことになりかねないのが怖いです。
そのためには、客観的な目で自分の仕事を見つめることが必要だと感じています。自分の活動の基本はなんなのか、どこを目指しているのか。そして今自分はそこからどの位置にいるのかを常に考えながら、次はどのような戦略を取るのかを考え続けています。
お客さんをハッピーにしたいという思い
私が営業活動を行うにあたって常に意識していることは、「お客さんにとって何がハッピーなのか」ということ。営業の役割というのは、作る人と使う人の間に立って、製品やサービスの価値を伝えることだと思うんです。
作る人は、「これはいいものだ」と自信を持って自分の作ったものを世に送り出します。でも、それが売れるとは限りません。世のなかには物が溢れかえっており、お客さんは必要な物しか買わないからです。そして、その必要なものとは、「手に入れることで自分がハッピーになるとイメージできるもの」です。
お客さんのニーズは千差万別なので、営業がそのニーズをしっかりと拾って、お客さんに対して「これを買えば、あなたにとってこんなにいいことがありますよ」と伝えます。また、お客さんの反応は、社内でフィードバックします。このように、必要な人に必要な情報を伝えることが営業の役割だと思うんですよ。
私が介在したことでお客さんや作り手がハッピーになった瞬間が、仕事をしていて一番楽しいと感じるときです。
私はいわゆるステレオタイプの営業的な性格ではありませんが、人のハッピーを作るお手伝いをしたいという意味では営業は天職。「多くのハッピーを増やしたい」という思いを胸に、大学を卒業してからずっと、出産を経た今も、営業という仕事を続けています。
これからの時代に必要なヘルスケアプランナー検定
私が普及活動を行っているヘルスケアプランナー検定というのは、もともとは医療関係者のスキルアップを目指して作られた検定でした。いまでは介護の仕事に就かれている方の受験も増えています。学習内容は病気や薬、人体のしくみ、栄養、国の政策など多岐にわたります。専門家だけでなく健康知識をより多くの方の知ってほしいという思いから、初級にあたる「ホームヘルスケアプランナー検定」も3年前に作りました。こちらは、主婦や学生、会社員など一般の方が多く受けてくださっています。
超高齢化社会の今、社会全体で健康に対する意識が高まっています。たとえ一般の企業で働いている方や主婦・主夫業に専念している方であっても、健康の知識は欠かせません。
でも、私たちの健康の知識って、医療系の学校に通わない限り、中学校や高校の保健体育の授業止まりなんですよね。だから、ホームヘルスケアプランナー検定の資格を取るために勉強することが、健康知識をつけるよい機会になるのではないかと思っています。
検定の教本は、しっかりした内容なので最初に開いてみるとびっくりするかもしれません。でも、試験は教本を持ち込んでもOKです。合格率は8割です。知って損することはない健康知識、ヘルスケアプランナー検定に挑戦してみませんか?
インタビュー 今井明子 / 撮影 廣瀬育子
株式会社ドクターズプラザ
営業部 営業企画
六藤 陽子さん
兵庫県出身。2001年京都大学文学部卒業後、大手外資系製薬会社でMRとして勤務したあと、2015年3月から現在の会社で勤務。営業部に所属し、ヘルスケアプランナー検定の普及活動を行っている。2012年に出産し、一児の母でもある。