広部 彩

「行ってきます」と言う利用者の表情が明るくなった瞬間

母子支援員

広部 彩さん

あなたのミニハピを教えて

一歩ずつ進む姿に胸が熱くなる

 

入所している母親が朝の外出の際に、晴れ晴れとした顔で「行ってきます」と事務所の前を通るときがあるんです。なんでもない日常のなかでふと訪れるそんな瞬間は、思わず目を奪われます。

 

私はさまざまな問題を抱えた母親と子どもが一時的に生活し、自立を支援する施設で働いています。DV被害や虐待、精神障害や経済的困窮など、家庭によって多種多様の問題を持っているので、日々の相談や定期面談のなかで一緒に解決策を見つけ、役所や児童相談所、学校や保育園などの関係機関と連携を図りながら、自立への道をサポートしています。

 

入所される方々は私たち職員が想像できないくらい辛い状況に立たされていることが多いです。最初は喪失感や不安など、負の感情から「これからどうやって生きていけばいいのだろうか」と暗い気持ちになってしまっていて、前向きに歩き出すのは簡単なことではありません。日常生活がまともにできなかったり、フラッシュバックに苛まれたり。それでも生活を送るなかでひとつずつ問題を解決していき、ふと明るい顔を覗かせたときは「一歩ずつ前に進んでいるんだ」と胸が熱くなります。

 

 

_DSC1439

 

 

 

子どものおかげで施設が明るくなる

 

私の勤めている施設は児童福祉施設のひとつで、子どものケアが根本的な役割です。過ごしてきた家庭環境にもよりますが、問題を抱えてしまっている子もいます。人とうまく話せなかったり、集団行動が苦手だったり。完全な回復となるとなかなか難しく、場面に応じた自分なりの対処法を子どもたちに学んでもらうようアプローチをします。同時に母親にも理解してもらい、周りもサポートしていかなくてはいけません。

 

明るく元気な子が多いですが、虐待やさまざまな辛い経験を経て子どもらしさを失っている子もいます。そんな子が日々の遊びやキャンプ、バーベキューなどの際に素直に笑う顔を見ると、うれしくなります。笑顔を振りまいてくれる子どもたちのおかげで、施設全体が明るくなり、お母さんにとっても私たち職員にとってもよい環境ができます。

 

 

_DSC1450

 

チームで支え合うことが大切

 

この仕事を始めたきっかけのひとつに、ひとりでバックパックを背負って行った世界一周旅行があります。ヒッチハイクをしたり野宿をしたりと結構ハードな旅だったんです(笑)。

結局、無事に帰って来れたんですけど、そこには見返りを求めない助けがありました。危機になるといつも誰かが助けてくれたんです。人の温かさにすごく救われました。それで、私も見返りを求めないで人が前を向ける手伝いをしたいと思ったんです。その想いが今の仕事につながっています。

 

この仕事は職員が一丸となって支え合うことが重要です。ひとりで悩みを抱えると落ち込んじゃうこともあるので、励まし合い、尊重し合い、認め合う。これは利用者にとってもいい影響があります。人を大切にすることの見本になるんです。利用者もいつかは自立して世の中に出ていきます。そのとき、利用者にとって仲間の理解と支援は不可欠です。

自分・家族・周りを大事にすることを職員から感じとってもらいたい。だから旅で感じた人の温かさを思い出しながら、チームワークを大切にしています。利用者にも伝わってくれればいいなと思います。

 

 

利用者の背中に感じる不安と期待

 

利用者もやがては退所の日がやってきます。不安と期待を背負った利用者を送り出すときは「新しい人生が始まるんだ」と感慨深いものがあります。「今までありがとうございました」と言われたときに、泣き顔や笑顔、そして彼女たちが抱えた沢山の感情、いろんな思い出が走馬灯のように浮んで、涙が止まらなかったことも。

退所していく利用者には自信を持って生きていってほしい。そして何かあったらいつでも会いに来て欲しいと思っています。そして、幸せになって欲しい。そう強く思っています。

 

今後は養子縁組に関する仕事を始めようと思っています。家族の形は血のつながりだけではないと思うんです。私は、子どもには愛されて育って欲しいという強い想いがあります。そのひとつのアプローチとして養子縁組を支援していきたい。これからもっと経験を積みながら新しいことにもチャレンジしていきたいです。

 

_DSC1395

 

 

インタビュー トグチダ  / 撮影 北原千恵美

広部 彩
No.089

母子支援員

広部 彩さん

大学1年のときに旅を始め、現在までに80カ国を訪れる。旅の経験から「人が前を向ける手伝い」をしたいと思うようになる。また飲食のアルバイトでリーダーとなり職場環境のマネジメントを経験。

大学卒業後、不動産関係の会社に入社するも2年で退職。学生時代の経験から人の生活をサポートしたいと考え、児童福祉関係の専門学校に通い、社会福祉士の資格を取得。在学時の経験などから児童問題の背景にある家族支援に興味を持ち、卒業後に母子支援員になる。今後は養子縁組に関する活動を開始予定。

もしこの記事を気に入ってもらえたら、共有をお願いします!

おすすめのインタビュー

Others

インタビューの一覧を見る

お役立ち情報

Useful information

無料でストレングスファインダーが受けられる?強み診断は年収UPに必須!

無料でストレングスファインダーが受けられる?強み診断は年収UPに必須!

年収UPに必要なのは自分の強みを把握すること。まわりを見渡してください。社内で給料が高い人は、自分の強みを活かしたアウト …続きはこちら

出世する人はセルフブランディングよりもパーソナルブランディングに気を使う?!

出世する人はセルフブランディングよりもパーソナルブランディングに気を使う?!

もしあなたが出世を考えているなら、会社にとって価値がある存在になるべきです。   自分に必要とされているものは …続きはこちら

これだけは知っておきたい!主な転職活動手段まとめ~前編

これだけは知っておきたい!主な転職活動手段まとめ~前編

転職をご検討されている皆さん! 転職活動の手段にはどういったものがあるのか、ご存知でしょうか。 ここでは、転職活動を行う …続きはこちら

転職する前に知っておきたい5つのリスク要因

転職する前に知っておきたい5つのリスク要因

当然のことながら転職に伴うリスクは大なり小なり存在します。 転職するリスクの度合いは、大手企業・新興企業・外資/外資系企 …続きはこちら

社会人になってから出会いが減った。そんなときに使ってみたい恋活サービス!

社会人になってから出会いが減った。そんなときに使ってみたい恋活サービス!

社会人になるとどうしても平日は自宅と会社の往復の毎日になりがち。 休日はと言えば、「家でゆっくりと休んで勤労疲れを癒した …続きはこちら

お役立ち情報の一覧を見る

Copyright © Minimum Happiness. All Rights Reserved.